現代社会における少子化の傾向は、核家族化や高齢化と相まって、お墓を承継していく基盤を揺るがせつつあります。
近年では、結婚をしても子供を持たない夫婦や、生涯結婚をしない単身者、また高齢化による身寄りのない人たちといった層が増加しており、お墓を建てても、そのお墓を承継していく者がいないという問題が生まれています。
また、子供が娘だけという場合、それぞれの娘が嫁いだ後、自分たちのお墓を誰が守るのかということが、親子という情愛をはらみながらも、切実な問題として浮かび上がってきます。一人っ子同士が結婚した場合には、一世帯がお墓を二つ持つことになり、そうした負担を掛けたくないという思いを持つ方も少なくありません。
そしてまた、承継者がいたとしても、生活空間が広がった現代社会においては、転勤による住所移転や海外滞在などといったことも稀ではなく、お墓を建てても管理していけないという問題も生じています。管理ができずに草が生い茂り、お墓参りもできないことを心配する声もあります。
さらに深刻なのは、先祖代々受け継がれてきたお墓を、自分の代を最後に承継者がいなくなるという場合です。そのような立場の方は、自分のこと以上に先祖の供養ということについて、また代々守られてきた墓をどうするかということについて、大きな悩みを抱えているようです。
このように、生活様式や社会環境が大きく変化した現代では、お墓の問題は社会的問題だといえます。お墓のない場合はもちろんのこと、お墓がある場合でも無縁となることを危惧することから、多くの人が、「お墓をどうするか」という同じ問題を抱えているわけです。
永代供養墓は、こうしたお墓の問題を解消する方法として、社会的に大きな関心が寄せられており、また、お墓の問題で悩む多くの人々から、死後を安心して託すことができる墓として支持を得ています。