永代供養墓は生前に申込みが可能で、また遺骨の受入れもできるという場合がほとんどです。遺骨を納骨する場合には、その納骨者の縁者あるいは関係者がそこにお骨を納めるわけですから、心配する必要はないでしょう。しかし、生前に本人が永代供養墓に申込みをする場合、自分の死後、間違いなくそこに納骨されるかどうかということは、申込者本人にとっては大きな不安要素だと思います。特に身寄りのない場合はなおさらそうでしょう。一般的には、生前に永代供養墓に申し込んで費用を支払うと、申込みをした証しとして、「永代供養墓申込証書」(それぞれで名称が異なる場合もあります)というものが発行されます。それを受け取り、万一の場合に備えて、誰もが気づくところに保管しておくというのが、最も確実で安心な方法といえます。その申込証書に、納骨先などについて依頼した遺書や手紙などを添付しておく、あるいは、知人や近所の人などに生前にその旨を伝えておくことも、より安心につながると思います。
永代供養墓によっては、葬儀の生前相談などを行っているところや、そのシステムの中に葬儀の執行を含んでいるところもあります。申し込んだ永代供養墓に間違いなく納骨されるかどうか不安に思う方は、例えば、誰がどのように納骨してくれるのかといったことを、永代供養墓の管理者に相談の上、確かめておくことが大切ですし、また、自分が安心できるシステムを持つところを選ぶことが重要です。
また、これまでに見てきたように、永代供養墓は多種多様であり、申込者の状況に応じて、それぞれに相応しい永代供養墓を検討することが必要です。申込者の宗教上の条件はどのように問われるのか、規定の料金にはどんな内容が含まれているのか、遺骨は何体まで納骨でき、どのように納骨されるのか、供養はどのように行われるかなど、しっかり確認しておくことです。
永代供養墓のほとんどは、印刷物や書類でほぼその内容がわかりますが、管理者から直接説明を受けて確認することも大切なことです。その管理者の考え方を肌で感じることも、より大きな安心感につながると思われます。
前述したことの繰り返しになりますが、永代供養墓の料金と内容は深く関連しています。ですから、費用だけを比較して判断するのではなく、料金と内容をよく検討した上で、申込者それぞれの事情や考え方に応じた選択をすることが賢明です。