永代供養豆知識ー永代供養墓の納骨方法

以前のブログで外観の形式という観点から、永代供養墓の主なタイプを説明しましたが、お骨をどこにどう納めるかという納骨の方法に関しても、いくつかのタイプに分けられます。

 

まず、永代供養墓に納骨する際に、最初から遺骨を骨壺から出して土に還す合祀という方法があります。地方により、普通のお墓に納骨する場合にも、骨壺から遺骨を出す風習があり、そうした地域においては特にこのような方法が多く見受けられます。このように最初から合祀する場合は、一般的に費用は安く設定されています(合祀という言葉は、ひとつの納骨室に複数の遺骨を骨壺のまま安置する場合にも使われることがありますが、本書では原則として、その場合を合葬とし、ひとつのカロートに骨壺から遺骨を出して直接納骨する場合を合祀としました)。

 

骨壺のまま安置するという方法の場合は、そのほとんどに、ある一定期間が定められています。最も多いのが三十三回忌までという年限で、その期間中は骨壺のまま安置し、期間経過後に骨壺から遺骨を出して合祀するという方法です。三十三回忌という年限に関しては、いわゆる弔い上げとされる三十三回忌を迎えることで、完全に成仏する、あるいは祖先の霊に昇華するとする、日本の仏教的な考え方が反映しているようですが、三十年も時が経てば故人を覚えている人もいなくなるという、そうした慣習上の見方の影響もあるようです。

 

その他、骨壺で安置する年限の設定には、三回忌、七回忌、十三回忌、十七回忌、五十回忌などがあり、かなり多様化してきていますし、使用者の希望年数で安置するというところもあります。また、少数派ながら、永代に(半永久的に)骨壺で安置するという永代供養墓もあります。

 

さらに、分骨という方法を採っているところもあります。遺骨の一部を納めた小型の専用骨壺を一定期間あるいは永代に安置し、残りの遺骨を合祀するといったものです。

 

このように、納骨方法についても様々なタイプがあるわけですが、できるだけ撒骨に近い合祀という方法を希望する使用者もいれば、骨壺で永代に安置してもらいたいという使用者もいます。そうした使用者の様々な要望に応えるため、いくつかのタイプを合わせ持つ永代供養墓もあり、そうしたところは、個別の墓石に永代納骨するか、希望年数で骨壷安置するか、最初から合祀するかということを、使用者が選択できるようにしています。また、ひとつの寺院が二種類の永代供養墓を併設している例も出てきています。