永代供養墓の申込条件として、生前申込者に限るところもありますが、そのほとんどは故人の遺骨も受け入れています。既に遺骨となったものに関してはあまり宗教的な条件を問うこともないようですが、生前に申込む場合には、宗教的な条件が問われることがあります。
お寺が開設している永代供養墓の場合には、宗教に関する条件は、以下の四つのタイプに大別できます。
①宗教一切不問
宗教を一切問わない、つまり、仏教はもちろん、キリスト教や神道などの方、あるいは特定の宗教に属さない方でも申込みができるというものです。
②在来仏教であれば宗派不問。
在来仏教(伝統仏教)の方、つまり、仏教系の新宗教や新々宗教を除く、伝統的な仏教の方であれば申込みができるというものです。具体的には、奈良仏教系、天台系(天台宗など)、真言系(高野山真言宗・真言宗智山派・真言宗豊山派など)、浄土系(浄土宗・時宗など)、真宗系(浄土真宗本願寺派・真宗大谷派など)、臨済宗系(臨済宗妙心寺派など)、曹洞宗、黄檗宗、日蓮系(日蓮宗など)といった各宗・各派のことを指しています。
③当寺の宗派に帰依する
永代供養墓を開設しているお寺が属する各宗・各派(前頁参照)を信仰する方であれば申込みができるというものです。
④当寺の檀家になる
永代供養墓を開設しているお寺の檀家や信徒として、その寺院を護持・奉賛できる方であれば使用できるというものです。
これらいずれの条件も、過去の宗旨宗派に関しては不問とされており、お寺の宗教や宗派に帰依すれば良いとする②と③が大半を占めます。普通の寺院墓地に比べると、比較的条件はゆるいといえるでしょう。
寺院における永代供養墓でも宗教一切不問のところがありますが、霊園に開設されている永代供養墓の場合は、そのほとんどが宗教一切不問となっています。
また、申込者による会を組織して永代供養墓を運営しているところもあります。これらの会は、各種行事などを通じて生前から仏縁を深めると共に、境遇や考えを同じくする申込者同士が交流を持ち、絆を深めることを目的にしています。そこでは、会員がお互いに供養し合っていくような面があったり、会での活動や行事が楽しみを与えてくれるような面もあります。申込者にとっては、永代供養墓により一層の安心感が生まれると共に、死後のことのみならず、残りの人生にとって、大きな精神的支えになっていることがあるようです。