永代供養墓が登場してから今日まで、使用者からのさまざまな要望があり、また永代供養墓に関する情報が行き渡ってきたこともあり、永代供養墓の形式はかなり多様化してきています。
初期の頃の永代供養墓は、納骨堂としての箱型の建物を造り、その内壁や外壁の石板に納骨者名を刻字するというものが多く見られました。こうした納骨堂型のものは、その後、建物内に礼拝施設を備えるなど、建物そのものが随分立派なものになってきています。仏壇様式のロッカー式納骨壇を備えた屋内墓所は、一般的に霊廟と呼ばれていますが、そうした霊廟型といえるものもあります。また、日本古来からの古墳や塚を模したイメージのある、納骨陵型と呼べるものもあります。
また、建物でない場合には、地下あるいは半地下に骨壺を安置する棚を設けた納骨室を造り、それを台座として、地上に像・塔・碑などを建立したものが一般的になっています。釈迦像や観音像などの仏像、多宝塔や五輪塔などの仏塔など、宗教的なシンボルを奉安したものがよく見受けられますが、モニュメントとしての塔や碑など、特定の宗教色を持たないものもあります。こうした形のものは数多く見られますが、近年はかなり多様化しており、また外観も内装も優れたものになってきています。
永代供養墓の多くは、以上に述べたような、納骨室を共同で使用するという合葬式のものですが、個別墓型といえるものもあります。普通のお墓に比べ、少し小さめの墓石を建立し、お骨をその個別の墓石のカロートに納骨するというものです。それらの墓石は、ある定められた区画に並んで建立されています。また、それに準じる形式の、集合墓型といえるものもあります。例えば、建物の壁面にいくつもの壁墓地を並べて設けた場合がそうで、お骨は個別のカロートに安置されますが、ひとつの建物を共有して墓所が集合しているといった形式です。
どうしても普通の一般的なお墓が欲しいという方には、あらかじめ承継者がいなくなることがわかっている場合、建てたお墓をそのままの状態で管理し、供養するということを約束するシステムもあります。この場合、普通のお墓と同じようにカロートに納骨され、承継者がいなくなってからも、ある一定の契約した期間は、管理者によって供養・管理がなされるというもので、年限が過ぎた場合は、遺骨は別の場所に移されて供養・管理が続けられます。